全日遊連 遊技料金の表示方法について

全日遊連は3月12日、3月の全国理事会後の記者会見において消費税増税対応の「遊技料金の表示方法について」ポイントを報告した。まとまった「遊技料金の表示方法」について、平川容志副理事長は、理事会で説明した内容と同じく、特長3点を説明した。

(1)4月1日からの増税後、従来通りの場合は、これまで通りの料金表示でよい。
(2)4月1日から、消費税額を加えた表示の場合、玉1個(玉)の小数点表示をするのではなく、最小貸出単位とそれに伴う個数表示、「100円24個(玉)」「500円116個(玉)」する。
(3)割り切れない遊技料金の処理、提供について。市場価格を遊技料金で割って、個数を導き出す。

以下、まとまった「遊技料金の表示方法について」。

1.全般的な留意点
消費税が本年4月1日から8%に改定されることから、消費税対応に伴う料金表示方法の留意点や原則を以下に示す。消費税分を上乗せして料金改定を行うホールは、これらの原則に則って対応していただきたい。また、料金を据え置く場合や個数調整で低貸玉を行っているホールにおいても、これらの原則に則っているか確認し、必要があれば速やかに変更の対応をしていただきたい。また、料金を据え置く場合や個数調整で低貸玉を行なっているホールにおいても、これらの原則の則っているか確認し、必要があれば速やかに変更の対応をしていただきたい。玉1個4円、メダル1枚20円を超えて消費税分の上乗せをするためには、それに対応した貸玉システムへの変更や、ホールコンピューター、POSシステムなどが、変更する貸玉システムに対応できるかどうかの確認が必須となることは、各ホール、念頭において対応していただきたい。

①風営適正化法第17条で規定されている料金の表示については、「営業所において客に見やすいように表示しなければならない」としており、お客様自身が支払う料金を 確認できるように表示するものである。したがって、お客様にとって目につきやすい場所に、分かりやすく金額を表示することが必要である。

②風営適正化法施行規則の一部改正案(平成26年4月1日付)を前提とすれば、「遊技料金」は税込価格となる。これまで料金表示と共に使用してきた「貸玉」「貸玉料」「貸玉料金」「貸メダル」「貸メダル料」「貸メダル料金」などの表示が否定されるものではないが、遊技料金を改定する場合や新たに料金表示を行う場合には、「遊技料金」との表示が望ましい。

③消費税転嫁対策特別措置法(以下、「特措法」)では平成29年3月31日まで税抜表示も認められているが、①表示義務のある「遊技料金」は税込価格であること、②税込価格のほうが、お客様自身が支払う料金を確認しやすいこと、③特措法は期限付きの暫定的な措置であり、期限がきたら総額表示に変更しなければならないことなどから、全日遊連としては総額表示を推奨する。
なお、(税込)と表示することは任意だが、表示する場合は、個別の料金表示に続けて付記するか、ホール入口や賞品カウンターなどでポスター、POP等により「当店の料金はすべて税込です。」などと一括表示してもよい。

2.料金表示のモデル例について

①料金が整数で表示できる場合
(1)現在、税込総額の料金を整数で設定し、表示しているホールが料金を据え置く場合、基本的に表示を変更する必要はない。
(2)表示例
ぱちんこ/1個(玉) 4円
パチスロ/1枚 20円
(3)上記1-②の通り、「貸玉」「貸玉料」「貸玉料金」「貸メダル」「貸メダル料」「貸メダル料金」などの表示があっても貼り替える必要はない。また、「25個100円(100円25個)」「50枚1000円(1000円50枚)」などの表示を付記している場合も、変更の必要はない。
(4)(税込)と表示することは任意であり、上記1-③の通り対応していただきたい。

②個数調整方式で玉1個、メダル1枚の料金が割り切れない場合
(1)最少貸出単位の玉個数又はメダル枚数と金額で表示する。
(2)例えば24個100円と設定した場合、1玉の遊技料金は割り切れない(4.1666…)。24個100円と設定しておきながら、1個4.17円や4.16円と表示をしてはならない。
(3)表示例(消費税率8%の場合)
ぱちんこ/24個(玉)100円(100円24個(玉))
    /116個(玉)500円(500円116個(玉))
パチスロ/47枚1000円(1000円47枚)
*「何個(玉)何円」か「何円何個(玉)」と表示するかは自由に選択していただきたい。
(4)現在、端数処理して小数点表示をしているホールがあれば、上記表示例のように、速やかに変更すること。
(5)税込と表示することは任意であり、上記1-③の通り対応していただきたい。

③個数調整方式で玉1個、メダル1枚の料金が割り切れる場合
低貸玉の対応で、玉1個、メダル1枚の料金が割り切れる場合がある。これについては、下記の「4.その他②カード精算方式によって小数点以下第2位までで表示できる場合(参考)」と同様に対応していただきたい。

3.料金が整数で表示できない場合の賞品提供個数算出方法について

賞品の交換玉数は「提供価格(市場価格)÷表示した料金(税込総額)」で計算できるが、「表示した料金」が整数でない場合は、料金を個数及び最少貸出金額で表示していることに従い、
提供価格(市場価格)÷最少貸出金額/個数で計算する。

①たばこを提供する場合
(1)玉交換時に端数が発生する場合は、「切り上げ」て交換する。
遊技料金を24個100円と設定した場合に「メビウス430円(平成26年4月1日改定の予価)」を交換するときの例
「メビウス」430円÷100円/24個=430円×24個/100円=103.2個⇒104個で交換する。(端数切り上げ)
*ただし、複数箱のたばこと交換する場合は「切り上げ」(1箱あたり0.8個)分相当の賞品をもって充当する。
メビウス10箱と交換の場合:104個×10箱=1,040個
メビウス10箱+33円相当の賞品
(切り上げ分0.8個×10箱×100円/24個=33.3333…)
(端数切り捨て)

(2)メダルの場合も、玉交換と同様、「切り上げ」て交換する。
*ただし、メダルの場合は交換金額とたばこの小売定価との差額が大きくなるため、その当該差額金額相当の賞品をもって充当する。
遊技料金をメダル47枚1000円と設定した場合に、同じくメビウスを交換するときの例
「メビウス」430円÷1000円/47枚=430円×47枚/1000円=20.21枚 ⇒21枚(端数切り上げ)
21枚×1000円/47枚-430円=16.8085…(およそ16円の差額)
メダル21枚はメビウス1箱及び市場価格16円相当の賞品を加えて交換する。(端数切り捨て)

ただし、いずれの場合も少額の賞品が準備できないとき、こうした賞品を提供せずに小数点以下の端数について「切り上げ」(客の負担)とすることは法令違反とならない。一方、小数点以下の端数について「切り捨て」(ホール負担)とすることは、たばこの小売定価に満たない遊技球等の数量でたばこを提供することになり、等価交換規制に違反するおそれがあるので、行わないこと。また、差額の端数については、上記例の場合、16.8085円の端数を切り上げて17円相当の少額賞品を加えて提供することは、たばこの小売定価+賞品の価格に満たないメダルの数量で賞品を提供することになるので、行わないこと。つまり、玉個数、メダル枚数の端数は「切り上げ」、差額の端数は「切り捨て」となる。

②たばこ以外の賞品について

たばこ以外の賞品でも、端数が発生するので、上記例に則って交換する。少額の賞品が準備できないときは、上記囲みの内容と同様に対応する。

4.その他
①個数調整した場合のいわゆる「コーナー表示」について
営業スペースを島単位で区切って「4円(4パチ)コーナー」「1円(1パチ)コーナー」などの店内表示をしているケースがあると思われるが、個数調整の場合は料金を「△△個○○○円」などと表示することから、コーナー表示も表示した料金と合致した表記とすること。 広告宣伝においても、設定した料金と合致した表記とするよう注意していただきたい。

②カード精算方式によって小数点以下第2位までで表示できる場合(参考)
カード精算方式は現時点でホールに採用されているわけではないが、今後、本年中にカード会社から販売が予定されているものであり、今回は参考情報として例示する。
(1)カード精算方式は、整数の料金に税率をかける(例:4円×1.08=4.32円)ので、小数点以下第2位までで表示できる。
(2)表示例(消費税率8%の場合)
ぱちんこ/1個(玉)4.32円(25個(玉)108円)
パチスロ/1枚21.6円(50枚1080円)
*「何個(玉) 何円」か「何円 何個(玉)」と表示するかは自由に選択していただきたい。