全日遊連 毎日新聞社説にくぎを刺す

全日本遊技事業協同組合連合会(阿部恭久理事長)は5月19日、午後5時半から第一ホテル東京(都内港区)において5月定例全国理事会後の記者会見を開催。まず理事会(理事52名中51名出席)冒頭、挨拶に立った阿部理事長は、毎日新聞5月14日朝刊(東京版)の社説に間違った業界記述があった事に組織として抗議したと報告した(写真は、左より片山専務、阿部理事長、平川副理事長、大野副理事長)。

それによると社説「ギャンブル依存症対策 カジノの免罪符ではなく」において、「子ども連れでもパチンコ店などに自由に出入りできるのが日本の現状だ。低年齢児などの入場制限や、射幸心をあおらない規制などの予防策はできるはずだ」(原文より)と結んだ文字に対して遺憾の意を表明。「社会の木鐸」とはほど遠く、全日遊連として誤った認識による内容であると判断したところから、5月18日付で毎日新聞社に対して、正しい記述を求める内容で文書を発出した。「今回、このような社説掲載で全国の組合士気が乱れる事のないよう、引き続き18歳未満の入場禁止、幼児の車内放置事故防止に向けた取組みについて、ご指導の徹底方よろしくお願い申し上げます」と理事会の席上で報告した。記者会見においては、毎日新聞社と文を書いた論説者に対し、事実誤認がある事を諭した内容という。「抗議なり、訂正なり、指摘されないと書いた新聞社というのは、何も反応がないとパチンコ業界が認めたと勝手に判断するかもしれず、後々それを認めたと使う事もある。間違ってますよ!ときちんと対応し指摘しておかなければならない」と大人の対応で臨んだという。

【主な審議内容と記者会見での応答】
○「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」/第1回の「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」講習会(4月24日)は大盛況だった事を報告。RSN強化については、5月より2名が出向スタート、業務サポートにあたっている事も報告した。その中、九州地区の開催概要が変更となり「九州・中四国地区講習会」として、福岡市民会館大ホールに開催場所を変更、収容規模は3倍強となる1770名とした。「今後、1万店で2名なり3名なり養成するのは講習会形式では難しい。今後オンデマインドなりで、養成できる体制を整えていきたい」(阿部理事長)。
【安心パチンコ・パチスロアドバイザー向け講習会開催予定】
■東京/4月24日(550名規模)
■九州(福岡)/6月14日(1770名規模)
■近畿(大阪)/6月28日(500名規模)
■北関東(埼玉)/7月5日(440名規模)
■南関東(東京)/7月26日(550名規模)
■中部(名古屋)/8月9日(500名規模)

○高射幸性遊技機の取扱いについて/5月9日業界6団体が集まり、高射幸性遊技機の合意書と申し合わせについて行政より要請があった。1点は2年前に定めた新基準に該当しない遊技機の目標値の見直しについて。2点は高射幸性遊技機削減の目標値を設ける必要性について。2年前と比べ、国民の視線はより厳しいものとなっている。ホールの状況が苦しい事は重々承知しているが、パチンコ・パチスロ依存問題への対応が喫緊の課題となっている現状を説明した。5月18日に全日遊連と日電協の当事者同士で最初の話し合いを行い、「昨年の回収撤去により、パチンコからパチスロに営業機軸が移行している中で、突然の措置は混乱を増す心配が多く寄せられた。私自身も全員が守れるように対応できる事を第一だと思っている。しかも依存問題に効果を発揮できるような方向を見い出したい。猶予はあまりない、早ければ7月中には妥協点を見い出したい」(阿部理事長)。

○管理遊技機(日工組)への申し入れについて/依存問題に効果のある「管理遊技機」なるものについて、日工組より申し入れがあった。「あくまでも日工組から一方的に申し入れがあったのであり、名称だけの申し入れであり、是非については今後具体的な内容をお聞きした上で反応したい」(阿部理事長)。

○遊技関連依存問題検討プロジェクトチーム(PT)の活動について/本年1月に発足した遊技関連依存問題検討プロジェクトチーム(PT)の活動について、大野春光担当副理事長は、「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」の講習では約4000名規模であり、最低1店舗1名で1万名規模が必要。その時点でPRすべきとの判断という。未カバーの北海道(10月開催企画中)、東北地区についても検討中という段階。

<理事会上程議案>
【決議事項】
1号議案/平成29年度通常総会資料の検討について
2号議案/ファン感謝デーに関する基本方針について
【報告事項】
(1)パチンコ・パチスロ依存問題への取組み強化について/4月24日第1回の開催結果ならび講習会の開催予定の一部変更。
(2)毎日新聞の社説に対する対応について/5月14日毎日新聞社説の対応について
(3)推進機構の定例理事会(5月15日)について
(4)遊技機流通制度連絡会の開催(4月21日・日工組)結果について/新台の設置確認、部品交換後の点検確認等の状況
(5)日電協と日工組との定期連絡協議会の開催(4月25日、5月18日・全日遊連)結果について、新基準に該当しない遊技機および高射幸性遊技機の設置台数の推移、行政からの業界6団体に対する指導等について
(6)中古機流通協議会の開催(5月17日・全商協)結果について/3、4月の確認証紙の発給状況について、非組合ホールについて組合加入について検討
(7)貯玉補償基金理事会の開催(5月17日・日遊協)結果について
(8)セキュリティー対策委員会の開催(4月24日・日遊協)結果について
(9)遊技機の低価格化への対応について