全日遊連 新年度に向け諸案を審議

全日本遊技事業協同組合連合会(阿部恭久理事長)は3月19日、第一ホテル東京において、定例理事会を開催(45名出席)。その後、阿部理事長、星野謙副理事長(山梨)、太田裕之専務理事が記者会見に臨んだ。令和6年度を振り返り、阿部理事長は業界の自主規制を打ち出せたことから、新年度は、その広がりに期待した。

<主な質疑>
■パチンコ・パチスロ依存問題への対応について
毎年5月14日から20日まで、ギャンブル等依存症対策基本法によりギャンブル等依存症問題啓発週間として、本年もその啓発ポスターの作成ならびに掲示告知について、また依存対策実施状況調査項目の補完について協力要請。政府のギャンブル等依存症対策推進関係者会議における委員の再編があり、3月15日から星野副理事長が阿部理事長(平成31年2月~)から引き継ぐ異動。ギャンブル等依存症対策推進基本計画は3年毎に見直しされ、令和7年3月より、基本計画(変更案)が閣議決定となる予定。

■広告宣伝ガイドライン等の進捗状況について
ホール関係4団体による「是正勧告事例集(第4集)」をとりまとめ、これまで投稿数2923件中、777件に是正勧告。内、複数回あるケースでは、経営者、当該店舗計7件に勧告。業界の自主規制による広告宣伝ガイドラインというところから、より厳格な運用を進めたい考え。

■組合店舗数(2月5969店舗)の減少について
47都道府県組合の組合員店舗は、3月19日現在の集計において、6000店舗を切った。2月分では、新規ゼロ、廃業29、休業87(2月発生8)。パチンコ178万9408台、パチスロ124万171台、計302万9579台。推進機構の誓約書提出店舗は6623件(3月19日現在)。組合員数の減少に歯止めがきかない状況について、「コロナ禍が過ぎてもなお、減少が続いている。これをどう対応できるかが、重要と受け止めている。同時にファン参加人口の減少も続いており、どうするかが課題。パチンコは、装置産業であり、ファンの方々が楽しめるように、遊びやすい環境にしていかなければならない。遊技機面では、パチンコ遊技機の盛り上げが課題であり、日工組の榎本理事長とも連携して、ファンの掘り起こしに、開発面に期待し、市場での関心度など協力していきたい」。榎本理事長からは、「パチンコは歴史も長く、現行の遊技機規則の枠の中では制約が二重三重となっているようです。全日遊連サイドとして支援できることは協力していきたい。その中で店舗減少をくい止め、ファンを増やしていければと思う」と現状を述べた。日工組では2023年から、「KIBUN PACHI-PACHI委員会」が中心となって、従来のパチンコ・パチスロファン、新規ファンへPR展開を実施している。

■令和6年度を総括して、7年度に向けた考えについて
業界自主規制によるガイドラインのうち、「パチンコ・パチスロ店営業における賞品の提供方法に関する」と「貯玉再プレー手数料」に関するガイドラインは、 いまだ拡がりを見せていないことを阿部理事長は気にした。ファンのニーズにあった、もっと遊びやすい店舗が出てきてもいいと期待するも、「なかなか進んでいないようだ。一部のファンが大勝ち、多くのファンが大負けするような現状では、おのずとファンの足は店から遠のく」として、多くのファンが楽しめて、勝ち負けもそれなりに伴うという遊技本来の姿(阿部理事長が期待する健全娯楽)になるよう、日工組と連携していきたい意向。

■遊技産業議員連盟の取組みについて
定期的に会合が開かれており、直近(3月10日)では、政府(省庁)等の補助金、政策等の対象にして欲しい旨で要望している。例えば、外国人の留学生等のアルバイト先として、ホール営業も対象にして欲しいとお願いしている例では、風俗関連業種のアルバイト禁止という考えは厳然としている。行政の考え方を変えてもらうためには、粘り強く要望していく以外にない。警察庁の見解として、同じ風営(適)法下であっても、ぱちんこは許可営業であり、性風俗は届け出であり、性格が違うという説明。しかし、他の省庁では、依然として風俗営業者という括りとなっており、粘り強く要望していくという。2020年に「セーフティネット貸付」、その他の公的融資の対象となった経緯もあり、各種見直しに関する働きかけを続けている。

【決議案件】
①(株)そごう・西武との「業務委託及び売買基本契約」の締結について
②2025年第35回全国パチンコ・パチスロファン感謝デーギフト賞品について
【報告事項】
①パチンコ・パチスロ依存問題への対応について
②広告宣伝ガイドライン等の進捗状況について
③推進機構の定例理事会及び臨時社員総会の開催結果について
④遊技機流通制度連絡会の開催結果について
⑤中古機流通協議会の開催結果について
⑥(株)ヤクルト本社のキャンペーンについて(2025年度ヤクルト「子どもの車内放置撲滅キャンペーン」の実施について、2025年度全国パチンコ・パチスロファン感謝デー「ヤクルト特別セール」について)
⑦事業委員会からの報告について
⑧総務委員会からの報告について(2025年度子どもの事故防止ポスター)
⑨機械対策委員会からの報告について
⑩経営委員会からの報告について
⑪都市景観形成推進協議会からの要望書について(「景観形成への配慮について」要望書)
⑫全日遊連「暴力団排除啓発ポスター」の作成及び配布について
⑬日工組からの令和7年度「KIBUN PACHI-PACHI委員会」への協力要請について
⑭その他(組合員加盟店舗の実態調査結果について)

全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)