全日本遊技事業協同組合連合会(阿部恭久理事長)は11月20日、第一ホテル東京において、定例理事会を開催(44名出席)。その後、阿部理事長、合田康広副理事長、太田裕之専務理事らが記者会見に臨んだ。
■ホール関係4団体広告宣伝検討会の開催結果について
9月27日、10月10日に広告宣伝検討会を開催した。広告宣伝ガイドラインの3版、およびQ&A、是正勧告事例集(バージョン3・11月策定)をとりまとめる。10月末までに通報件数2225件、是正勧告619件。勧告数が増加している状況であり、自主規制のガイドラインを遵守するよう呼びかけている。
■日工組と全日遊連との定期連絡協議会の開催結果について
遊技機の販売方法や遊技機の重量軽減について協議。遊技機価格の上昇や重量は、運送関係者やホール従事者に負担を強いており、労働環境の改善含めて、協議を続けている。スマート遊技機の構造上、重さは増えているといえ、共通枠にするような見直しなど、改善を呼びかけている。メーカー側の規則に則った対応は当然だが、従事者に負担を強いるような状況であれば見直しについて行政にも投げかけたいと阿部理事長は見解。Bluetooth(ブルートゥース)搭載遊技機の可能性については、ハードルがあるというメーカーサイドの見解は、法令に基くもの。以前、ホール内での騒音問題が論議されたことがあり、同様に必要な音が店内で緩和されるのであれは、行政も含めて対応していきたい。そのことにより、「遊技される方々の遊び方の幅が広がると思っています。しかし、しっかりと遊技される方に伝わっていないし、パチンコへのファンの方の認知が弱い状況です。実際に、玉が出ない遊技は、ファンにとっても何しているのかと思われる。できれば遊技の出玉を持てる方が増えて景品交換ができる環境が必要。それで勝ち負けを感じるようなホール営業にできればと思う。遊技の捉え方は様々ありますが、例えば一部ではある『じゃん球』や『羽根モノ』といった種類は、時間をかけて遊べたものと思っています。今は、ほとんど市場がセブン機オンリーの傾向で、遊びの幅がないようになっているように思う。その現状は何が開発提供の障害になっているのか、なぜ導入できないのかの原因を打開していく必要がある」(阿部理事長)。
■2024年を振り返って
2024年は業界として課題改善に向けて、私自身含めて、対応に振り回された一年になったと思う。ただ、その中で自主規制のガイドラインが3つもできた意義は大きい。
■再プレーシステムに関するガイドライン(2024.9.2制定)について
2012年再プレー手数料は原則禁止となっていたが、今回ガイドラインに基づいた運用が可能となったもの。現在2800ホールほどが登録をしているという。「ガイドラインについては、競合店との駆け引きの雰囲気を感じる。それでガイドラインは地域環境に応じてルールづくりが構成できればよいと思う」(合田副理事長)。
■レジャー白書の推計結果について
参加人口が、減少している中、「ホール従事者の給料を上げる、一方で遊技機の高騰、電気等の費用も値上げ等、それは一体どこから捻出すればいいのか。経営者サイドは頭を悩ませる。一つはお客様の数を増やしていくこと。もう一つは粗利を上げていく。粗利重視になれば、お客様は減ることは自明です。ホール営業は価格の転嫁は難しい。その意味では、お客様を増やせる施策が不可欠です。そのためには遊びやすさを提供する業界として突き詰めていかないといけません。賞品提供のガイドラインができましたが、私の想像していた程には、現状は全体的に進んでいないと感じています。営業サイドでは、良い兆しの材料がない中で、変化することに対して危機感を抱いているのではないか」(阿部理事長)。
なお、全日本遊技産業政治連盟(阿部恭久会長)の立場で、今回の衆議院議員選挙の結果について質問があった。「職域支部が全国で30支部を越え、9000名以上の党員規模になっている。年を越せばさらに拡充(1万名越え)するように聞いている。先の衆議院選挙で大敗した中で、各議員は遊技産業に対する注目度は変わっていると感じる。自民党の期待感にさらに応えていきたい」(阿部理事長)と述べていた。
【決議事項】
第1号議案 新理事の所属委員会について/大分遊協の理事長異動(10月4日付)に伴い岩田憲行氏を理事として、総務委員会所属とした。
第2号議案 2025年度全日遊連の賦課金・健全化推進機構特別会費及び全日防連の会費・特別会費の算定基準について
第3号議案 2025年度第35回全国・パチンコパチスロファン感謝デーにおける幹事商社の選定について/そごう西武に決定
第4号議案 2026年度「春のパチパチファン感謝デー」の実施について/2026年5月22~24日予定。特殊詐欺防止も盛り込んでおり、現在、行政と調整中(2025年2月頃に確定を予定)
【報告事項】
①パチンコ・パチスロ依存問題への対応について
②ホール関係4団体広告宣伝検討会の開催結果について
③推進機構の定例理事会及び臨時社員総会の開催結果について
④日工組と全日遊連との定期連絡協議会の開催結果について
⑤中古機流通協議会の開催結果について
⑥2024年度上半期各都道府県組合による「立ち入り検査実施状況」及び「パチンコ・パチスロ健全化ネット投稿状況」について
⑦経営委員会からの報告について
⑧事業委員会からの報告について
⑨機械対策委員会からの報告について
⑩財務委員会からの報告について
⑪2025年パチンコ・パチスロ産業賀詞交歓会の開催について/2025年1月28日開催予定
⑫社会貢献機構からの協力依頼について
⑬その他 道路交通法改正資料、組合加盟店舗の実態調査結果について(経過報告)/組合員店舗6042店舗、遊技機総数303万3259台。