毎日新聞ネット版2月27日によると、「自宅から3キロ以内にパチンコ店ができると、男性ではギャンブル依存症を疑われる確率が高まるとの調査結果を慶応大大学院経営管理研究科の後藤励准教授らのグループがまとめた」と報じた。
調査は2014年、年代・性別を日本人の成人の割合に調整した約6500人を対象にインターネットで実施。郵便番号から住所を特定し全国のパチンコ店との距離を調べ、ギャンブル依存症の疑いを測る尺度の質問項目への回答を得た。その結果、パチンコ店から半径3キロ以内に住む男性の場合、パチンコ店が1軒増えると依存症が疑われる確率が1.9%増え、1.5キロ以内では3%増える関係にあった。男性・独身・低所得の各グループの確率は高まったが、女性には影響がなかった。依存症とギャンブル施設との距離の影響を調べた研究は日本で初めてと報じている。
後藤准教授は、依存学推進協議会の理事でもあり、「依存」について経済学の立場から分析する研究者の一人。2007年には、たばこの価格が2倍になればニコチン依存度が比較的低い人の多くが禁煙を考えるとの研究調査にも加わるなど、医療経済学、保健医療政策を専門とする。