NPO法人依存学推進協議会(江島義道理事長・京都工芸繊維大学学長)は1月24日、学士会館(東京都千代田区)において、第6回「ギャンブル依存と社会的コントロール」と題してシンポジウムを開催した。
この日は、第186回通常国会の召集日(平成26年1月24日〜6月22日・150日間)の中、小沢鋭仁(おざわ さきひと)衆議院議員(日本維新・写真)が祝辞とともに、2013年12月5日提出したIR推進法案の進捗を報告した。「IR推進法の上程の反面、カジノ導入に反対する活動も始まったようで、そうした中で、こうした依存対策への学術活動に、心強く感じている」と謝意。昨年のIR法案提出の舞台裏では、秘密保護法の強行採決で、IR法案は受理されない状況があった中での内閣委員会への折衝で提出にこぎつけたことを述懐。現在、法案は継続審議の状況。「3党で過半数」あるが、通常国会では、予算等優先されなければならないため、5月の連休明けから会期末の間には、成立の予定になろうと説明。当初2年以内を1年以内の期間変更した機転含め、東京オリンピックの成功に寄与できる活動につなげたいと述べていた。
シンポジウムでは、「ギャンブル依存問題に関する各国の対応」と題して谷岡一郎理事が基調講演。「『責任あるギャンブリング』の実践を通じたギャンブル依存対策〜韓国ギャンブリングコントロールコミッションの役割とカンウォンランドの事例〜」リー・チュンギ氏(韓国・慶熙大学校教授) 、「シンガポールIR でのギャンブル依存問題への取り組み」ジョージ・タナシシェビッチ氏(マリーナベイ・サンズ社長兼ラスベガス・サンズ国際開発担当役員) が、アジア圏でのカジノによる依存対策のシステムづくり、実態と取組みを発表した。特に、韓国の江原道地域の廃鉱を再開発した「江原ランドカジノ」(2000年開業)の失敗例を掲げて、IR構想の重要性を説いた。そしてその二の舞をしないよう依存対策の重要性を再認識させた。