京都府遊技業協同組合(白川鐘一理事長)は5月14日、京都市中京区のANAクラウンプラザホテル京都において、春季営業者・管理者等研修会を開催した。
京都遊協では業界情勢を始めとする各種情報や、健全化に向けた理念を組合員で共有すべく定期的に研修会を行っている。主催者を代表して挨拶に立った白川理事長は、京都府内の置き引き発生状況が検挙件数のおよそ2割に達していると報告し、安心安全なホールの環境整備を行うため、府警本部より担当官を招いた研修会を行うに至ったと開催経緯を説明。「あわせて、保通協の検査基準変更等、昨今関心が高まっている回胴式遊技機に関る諸問題について、回胴遊商の伊豆正則理事長より講演頂きます。いずれも業界として極めて重要なテーマです。今日の話を社に持ち帰り共有する事で、今後のホール運営に是非とも役立てて頂きたい」と語った。
『ホールにおける置き引き対策について』と題した講話を行った京都府警察本部生活安全企画課犯罪抑止対策室犯罪抑止対策係の山崎一寿係長は冒頭、京都府下の平成26年中の刑法犯認知件数について、前年比-139件となる1155件だったと報告。置き引きの発生状況について、発生場所は娯楽施設(ぱちんこ店・ゲームセンター)での被害が3割で、その内、ぱちんこ店での被害は全体の2割でもっとも多いと指摘した。山崎係長は「置き引きはきっかけがあれば魔がさして犯してしまうという種の犯罪です。もとより犯罪を犯すつもりの無い人でも、現金の入ったICカードが誰もいない遊技台に入っているのを見かけて、ついつい魔がさして盗ってしまったというケースが多く見られます。皆様におかれましては、その“きっかけ”を作らないよう未然防止策につとめて頂きたい」と語った。尚、置き引き対策としては遊技客の注意喚起や従業員の巡回、従業員の教育等があげられる。店内から犯罪者・被害者を出さないという、安心・安全な環境の構築が求められる。
伊豆理事長は『回胴式遊技機の現状と今後について』というテーマで講演を行った。昨年8月に行政から保通協検査基準の厳格化を求められ、現行のAT・ART機の製造が難しくなった事は周知だ。伊豆理事長はこの件に関して、新台販売は11月までと決定しているが、現在俎上に載せられている中古売買については業界6団体で協議中だと状況を説明。中古売買停止の期間がいつかは設けられるのでは、という大方の見解をしめした。際して課題となるのは闇スロにいかに遊技機を流出させないかという撤去台の適正処理だ。この課題は特に今年1月、行政から発せられた業界に対する3つのお願い(射幸性の抑制・置き引き対策・闇スロへの遊技台流出防止)にも入っており、健全化の推進はもとより、今後予想される規則改正に際し、射幸性を抑えた遊べる遊技機の創設を実現するためには、行政から求められる課題にいかに真摯に応えられるかが重要だと指摘した。最後に「私たちは1万1千件という店舗数を減らす事無く健全な大衆娯楽を確立しなければなりません。今私達が抱えている問題は、今後業界が更に良くなるための試練といえましょう。白川理事長のもと、一丸となって取り組んで頂きたい」と語った。