京都遊協 寄付金累計9億1600万円に

京都府遊技業協同組合(白川鐘一理事長)は11月29日、京都市上京区の京都ブライトンホテル京都において、令和3年度寄付・助成金の贈呈式並びに営業者・管理者等研修会を開催。府下の店舗管理者や経営者など約140名が集まった。

寄付・助成金事業は、京都府内のパチンコ店経営者で組織する京都遊協ならびに同団体を母体とする公益財団法人京遊連社会福祉基金が毎年、京都府・京都市などの自治体及び京都府内に所在する各福祉団体等に対して社会福祉事業の手助けとなるよう寄付・助成金を贈呈する恒例の社会貢献式典となっている。

冒頭、挨拶に立った白川理事長は、厳しい経営環境が続いている中、コロナ禍も加わり、全国的にも店舗数の減少が続いており、この状況は経過措置の満了となる令和4年1月に向け、さらに加速するのではないかと危惧しているとした。「しかし、組合員一人ひとりが社会貢献活動の必要性や重要性を理解し、贈呈式を迎えられた事を嬉しく思う」と謝辞を述べた。「我々にとって社会貢献活動は、地域に根差し、地域に愛される存在を目指す業界の責任として欠かす事のできない大切な活動です。その継続性も求められます。これまで、総額9億円を超える寄付・助成を長年に渡って行ってきました。先代からの遺志を引継ぎ、今後も歩みを止める事なく社会の期待に応えていく事が、我々に課せられた使命であり、それが業界の未来につながっていると信じています」と述べ、組合員の更なる支援・協力を求めた。

京都遊協からの助成金として、「京遊協おこしやすパチンコ・パチスロファン感謝祭」の開催時にホールから拠出された社会貢献協賛資金を基に、社会福祉法人城陽市社会福祉協議会「西部ディサービスセンター」に車いす利用者のための送迎用普通自動車購入の一部助成金として200万円を贈呈。京遊連社会福祉基金から、京都市の福祉支援として100万円、コロナ対策支援として100万円を贈った。門川大作市長(京都市)は、京都遊協の寄付は50回、1億円を超えた事を紹介し、「魅力あふれる京都づくりに取組んで参りますので引き続きの応援をよろしくお願いします」と謝意を述べた。

京遊連社会福祉基金からは、ホームページ上で公募し、府内24の福祉団体等から申請があり、21の福祉団体等に総額799万6116円を贈呈した。この贈呈以外に、10月京都府共同募金会に50万円、令和4年の全国車いす駅伝競走大会実行委員会に100万円を贈呈する予定で、本年度の助成金等総額は1419万3536円となった。財団発足以来の累計金額としては、9億1616万2505円となる。感謝状は、社会福祉法人城陽市社会福祉協議会(鈴鹿義弘会長)が代表して、白川理事長に贈った。

贈呈式の後に行われた研修会では「日本の常識 世界の常識〜いま京都の中心で何を叫ぶ〜」と題して、ジェフ・バーグランド氏(京都外国語大学国際貢献学部教授)による講演があった。親日家のジェフ氏は、アメリカ南ダコタ州に生まれ。「日本へ来て初めて傘を差した。郷里は雨が少ない地域。海まで2500キロもあり、魚もあまり食べた事が無かった」と、1969年に初来日した際のエピソードを語った。初めて傘を差した事、そして朝食で出された甘いさくらんぼだと思って口にしたものは梅干だった事等、体で覚えた日本の常識とは何だろうかと問いかけた。「日本人は、相手が何を求めているか、どう思っているかを僅かなヒントから察する『受信力』が強いのに感心しています」と日本文化が世界の常識へと進化してほしいと期待した。

京都府警察本部生活安全部生活安全企画課 許可等事務審査室の松村和紀室長補佐による講話では「健全営業等について」と題し、①ぱちんこ依存防止対策について②旧規則機の撤去について③適法営業の徹底についての3点について要請。依存防止対策では、自己申告・家族申告プログラムの導入について、「未導入店舗においては、依存対策に消極的な店舗ではないかと取組み姿勢が問われています」と京都だけが取り残される事のないよう、導入率のアップを期待した。旧規則機の撤去では、経過措置含めて計画的撤去に努めて欲しい、加えて適正な廃棄について要請。パチンコ営業は、風俗営業の許可営業であることを強調し、健全営業に向けた努力に期待を寄せた。