レジャー白書2023 パチンコファン参加人口は微増、売上横ばい

公益財団法人 日本生産性本部(茂木友三郎会長)の余暇創研は10月31日、『レジャー白書2023』を発刊した。2022年のパチンコ・パチスロ参加人口(推計)は前年より50万人増の770万人、参加率8.1%、市場規模14.6兆円の横ばいと推計した。レジャー白書は、余暇活動調査等をもとに、我が国における余暇の実態を需給双方の視点から総合的・時系列的に分析・記録している唯一のもので、1977年の創刊以来通算47号目となった。

発刊に合わせて、概要発表10月26日、東京・ビジョンセンター永田町において記者発表ならびにオンライン形式により同時開催した。パチンコ・パチスロの売上げは2020年から3年連続の横ばい。パチンコ(売上げ)は2年連続で増加したが、パチスロの減少で相殺となった。全国の遊技場数は前年比10%近く減少し、過去最低だった。規模別にみると、中小規模店舗が減少する一方、遊技機1001台以上の大規模店舗はやや増加し、過去最多となった。

2022年11月にスマートパチスロが導入。メダルを使わないメダルレスの遊技を可能にした最新パチスロ機で、これまでのメダル投入や計数にかけていた時間が大きく短縮。ゲーム性の幅も拡大した。これを受けてスマスロ専門店も登場。2023年4月、スマートパチンコの導入がスタート。パチンコ玉に触れず遊技や計数が可能となった。初期投資はかさむが、玉、メダルの持ち運びや洗浄が不要となり、作業負担の大幅軽減と将来的な設備投資の負担軽減が期待される。

パチンコの参加率は8.1%(前年比0.8増)、年間平均活動回数31.9回(同0.1増)、年間平均費用88.4千円(同5.8千円減)、1回当たり費用2770円、参加希望率5.7%。参加人口(770万人)の性・年代構成比では、男性74.0%、女性21.2%。年代では、男性40代、30代、50代、70代の順。20代は8.9%、10代0.4%。女性40代、70代、20代の順。

概況として、コロナ禍に伴う行動制限の全面解除が行われた2022年は、国内観光旅行をはじめとする外出を伴うレジャーが参加人口上位に戻り始める。一方で、動画鑑賞や読書などの在宅レジャーも引き続き上位となった。余暇関連市場規模は前年比12.7%増の62兆8230億円となり、全体としてコロナ禍による急激な落ち込みから回復に向かっているものの、コロナ禍前の2019年の市場規模には届いていない。

■タイトル/レジャー白書2023
■著作者/公益財団法人 日本生産性本部 編
■発行年月/2023年10月31日
■価格/本体7000円+税