調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人 日本生産性本部(前田和敬理事長)は7月14日、「レジャー白書2023」(速報版)を、オンラインを通して公表、説明は余暇創研の長田氏が発表・質問に答えた。
レジャー白書は、秋に発行を予定としているが、今回余暇活動に関する個人の意識や参加実態に関するアンケート調査の結果を、速報版として公表したもの。参加人口、市場規模については、集計中とのことで、レジャー白書の発刊に掲載される予定。ただし、各種目の参加率・年間平均活動回数・年間平均費用・希望率の推計値を示した(参加人口はこの参加率に総務省の人口推計をもとに算出しているという)。
■パチンコ・パチスロの参加率は8.3%、年間平均活動回数31.9回、年間平均費用8万8400円、希望率5.7%と示した。前年と比較すると、参加率1%増加、年間平均活動回数0.1回増加、年間平均費用5800円減少、希望率0.3%減少となる。業界は、コロナ禍から脱し切れておらず、公営競技のネット投票などの躍進が如実に反映されていると受け止められる。参加率・年間平均費用では、宝くじ19.4%・2万2200円、サッカーくじ4.7%・2万3900円、中央競馬8.2%・8万5400円、地方競馬3.7%・6万4200円、競輪2.1%・7万4800円、ボートレース2.2%・7万2100円、オートレース0.8%・7万8000円。
レジャー白書の調査は、本年2~3月にインターネットを通じて実施し、全国の15~79歳男女、3306人から有効回答をもとに推計している。
【主なポイント】
①仕事より余暇を重視する割合が年々増加傾向
・仕事(勉強や家事を含む)と余暇のどちらを重視するかについて、63.9%が余暇を重視する傾向。特に「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」の回答率が2020年以降増加。
②余暇活動参加率では、「国内観光旅行」が1位に復帰
・余暇活動の参加率は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が、前年(2021年)から10ポイント上昇して42.8%となり、2019年以来の1位となった。しかし、コロナ禍前の2019年の参加率の水準(54.3%)には戻っていない。
・「ドライブ」(5.7ポイント増)や「外食(日常的なものは除く)」(2.4ポイント増)など外出を伴う種目に上昇傾向がみられる。
・性別で見ると、男性は前年に続き「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」が1位。女性は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が32.8%から45.4%に大きく上昇し1位となった。
③潜在需要は「海外旅行」が1位
・各種目の希望率と参加率の差を「潜在需要」として算出したところ、前年(2021年)1位の「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」の潜在需要は、参加率の上昇に伴って減少し、2位となった。一方で、「海外旅行」は潜在需要の減少幅が「国内観光旅行」と比べて小さいため、1位となった。
④一人当たりの平均参加種目数は9.7種目から10.1種目に微増
・一人当たりの平均参加種目数は10.1種目となり、コロナ禍であった2020年(9.9種目)、2021年(9.7種目)よりわずかに増加したものの、2019年の水準(12.3種目)には届いていない。
■タイトル/レジャー白書2023
■著作者/公益財団法人 日本生産性本部 編
■発行年月/2023年10月(予定)