(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社/東京都江東区)が特別協賛する「岡田美術館杯女流名人戦」(報知新聞社主催)は3月27日、明治記念館において第44期女流名人戦就位式を執り行った。第44期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負、里見香奈女流名人に伊藤沙恵女流二段が挑戦。里見女流名人は3連勝で女流名人を防衛、自身の連覇記録を9と更新した。
棋士や女流棋士ら関係者約200人が駆けつけた祝賀会には、“ひふみん”こと加藤一二三九段がゲストとして駆けつけ、9連覇の偉業を祝福した。加藤九段自ら実力制6人目(1982年)の名人経験者であり、全ての実力制名人と対局経験がある唯一の存在として、「今タイトル戦の棋譜を研究して感動しました。里見女流名人は、懐に入って、ギリギリで勝ちきるという棋風は、升田幸三名人(第四代)を彷彿とさせる力強くダイナミックな将棋」と絶賛した。
第1戦の会場を提供した小林忠館長(岡田美術館)は、「私はジャイアンツの大ファンですが、巨人V9を超える偉業に期待しています」と祝した。枝垂れ桜の桃色に深紅の振り袖姿の里見女流名人は、「自分の力を発揮できて、番勝負を楽しく過ごすことができました」と関係者各位の協力に謝辞。一方で、女性初の棋士を目指しながら養成機関「奨励会」を年齢制限で退会した事について、「19歳の時に入会し、皆様のおかげで一生懸命過ごす事ができました。今後は普及や将棋界の発展のために私のできる事を何でもしたいです」と述べ、晴れやかな表情で前を見据えた。
女流名人戦は、現在行われている将棋女流タイトル戦の中では最も古く、1974年度創設。1993年度開催の第20期より、アルゼ(株)(2009年11月1日に(株)ユニバーサルエンターテインメントに社名変更)が特別協賛となり、42期より「岡田美術館杯女流名人戦」として開催している。
左より、小林館長、里見女流名人、加藤九段
第45期となる新たな岡田美術館杯・女流名人戦がはじまった