(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社/東京都江東区)が特別協賛する「岡田美術館杯女流名人戦」(報知新聞社主催)は4月15日、ザ・プリンスパークタワー東京において第48期女流名人戦就位式を執り行った。3度目の挑戦により見事、女流名人になった伊藤沙恵女流名人の悲願の初タイトルを関係者で祝した。また9度目となるタイトル挑戦は、男女を通じて将棋史上最多タイトル挑戦での初戴冠となった。
岡田美術館杯の授与において、小林忠館長は、無垢の寄木細工で作られたトロフィーを贈り、栄誉を祝した。併せて、棋界最強のディズニーファンと呼び声高い伊藤女流名人という事で、副賞として「テーマパークへの1泊2日ペアの旅のチケット」のサプライズに笑顔があふれた。ただ、花束贈呈の時、第4局で記録係を務め身近で見ていたという石本さくら女流二段から、「きっと今回は獲るのではないかと感じていました。本当におめでとうございます」と涙を流しながら祝辞を受けた時、伊藤女流名人ももらい泣き。その後すぐの謝辞において、「女流名人のタイトルに名前を刻む事ができて嬉しく思っています。女流棋士になり8年、8度のタイトル挑戦の機会がありましたが、手が届かないまま、自分はタイトルに縁の無い人生なのかなと思う時もありました。第48期女流名人戦で挑戦を決めた時、これが最後かもしれないという思いで臨もうと思いました。強い思いが今回形になった事を非常に嬉しく思っております」と震える声で大会関係者、ファンに向けて感謝の言葉を述べた。
女流名人戦は、現在行われている将棋女流タイトル戦の中では最も古く、1974年度創設。1993年度開催の第20期より、アルゼ(株)(2009年11月1日に(株)ユニバーサルエンターテインメントに社名変更)が特別協賛となり、2015年より「岡田美術館杯女流名人戦」として毎回、第一局は岡田美術館において開催している。