ユニバーサル 「岡田美術館杯女流名人戦」新たな一歩はじまる

(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社/東京都江東区)が特別協賛する「岡田美術館杯女流名人戦」(報知新聞社主催)は3月8日、関西将棋会館において、第51期女流名人戦第1局を開催。福間香奈女流名人に西山朋佳女流三冠が挑んだ初戦、福間女流名人が先勝した。

3月7日、大阪高槻の摂津峡という渓谷に佇む、一軒宿の温泉旅館「山水館」において開幕式を開催。挑戦者の西山女流三冠は、「五番勝負が始まりますが、結果よりも目の前の一局一局に集中して、全力を尽くしていけるよう頑張っていけたらなと思います」と力強く挨拶。福間女流名人は、前日、自宅で家事の際に負傷し、3針縫った右手に包帯を巻いた姿で、「初めて左手で指します」と宣言し、「女流名人戦が始まりますが、今持っている自分の力をすべて発揮したいと思います」と防衛に全力投球を誓っていた。また、対局を記念し、岡田美術館から箱根で古くから伝わる「木地挽き」と呼ばれる技法で作られた木工食器「ひきよせ」(商品名)セットをプレゼントした。続き、日本将棋連盟常務理事の清水市代女流七段の乾杯の音頭により、開幕を祈念した。

3月8日、昨年末に竣工した関西将棋会館5階の特別対局室で、久保利明九段の立会、記録係は榊大輝二段(久保九段門下)で開始。依田裕彦社長(スポーツ報知)の振り駒により、「と金」(歩の裏)3枚により西山女流三冠の先手でシリーズ開幕となった。戦型は相振り飛車となり、相撲の組み手「ケンカ四つ」のような序盤となり、がっぷり組み合った。西山女流三冠が積極的な攻めを見せて攻勢をかけるが、福間女流名人が攻守のバランスをとって、午後に入ってからも難解な攻防が続いた。結果的にうまくさばけた福間女流名人は17時19分、104手で勝った。

女流名人戦は、現在行われている将棋女流タイトル戦の中では最も古く、1974年度創設。1993年度開催の第20期より、アルゼ(株)(2009年11月1日に(株)ユニバーサルエンターテインメントに社名変更)が特別協賛となり、2015年より「岡田美術館杯女流名人戦」として毎回、第一局は岡田美術館において開催しているが、今回は福間女流名人の出産等の調整で3月から始まった。次戦、第2局は3月16日(日)に島根県出雲市「出雲文化伝承館」で開催される。