メダル工業会 第30回通常総会開催

遊技場メダル自動補給装置工業会(大泉政治理事長)は11月21日、東京・港区の第一ホテル東京において第30回通常総会を開催した。

はじめに総会成立報告がなされ、会員12社中12社出席で総会は成立。挨拶に立った大泉理事長は、米中の貿易戦争をきっかけに世界中の経済が減速している中で、日本では上場企業の製造業の業績が悪化している。我々の業界はさらに悪い気がするとした。「一番心配していますのは、中小のホールが廃業している。規則改正以降の影響が大きい」と、メダル工業会の収支決算は、一般事業で対前年比マイナス29%のダウン。収益事業では同50%ダウンという厳しい1年とした。

須田泰彦氏((株)メイセイ)を議長に議案審議に移り、全5議案を上程し原案通り承認した。事業報告において型式試験での適合134件、不適合632件と前期比マイナス18.8ポイントとなる17.5%の適合率。そうした事から、景気後退する中、6号機の供給正常化の懸念から、予算案ではマイナス10%の予算枠として承認した。

総会後の懇親会では、全日遊連、日遊協、日電協、回胴遊商など業界11団体の来賓を迎えて開催。大泉理事長は、「中小のホール様は一所懸命に努力している。だが、今の環境はどんなに努力しても正常の状態とはいえない。他の産業では規制緩和が当たり前になってきているが、パチンコ業界は規制強化の方向とさえいえ、個人的な意見になるが、先が見えない」と吐露。お客様に楽しさを提供し、多くの雇用を抱える業である事を自覚して、娯楽を提供する立場だからこそ、自らが活気あるものにしていく事で、この苦境を払拭していきたいものだと、その為の連携を呼びかけた。

阿部恭久理事長(全日遊連)からは、今、業界について寄せられる「ファンの声」において紹介し、「もうパチンコはしない」、「6号機遊べない」という声が多く届いている。射幸性の根拠についても調査研究していると、遊技環境を整える事に全力を挙げたいとした。庄司孝輝会長(日遊協)は、喫緊の課題として「新基準機への入替」(旧規則機の撤去期限が決まっている以上、行政に新基準機への要望を続けたい)、「依存対策」(自己・家族申告プログラムの普及、顔認証プログラムの導入等)とした。兼次民喜理事長(日電協)は、6号機の市場提供が予想以上に遅滞している事を報告。そうした中、巷でいわれている6.1号機と呼ばれているようだが、これまで自粛していた3項目について緩和要望を9月11日に行政との了解のもと、目下、開発における細かなルール決め、要領等の協議段階。「1〜2週間の間には、動き出す予定であり、ゲーム性の幅が広がり、規則の緩和という事で進んでいる」とした。また、依存対策については業界14団体が一体となって対応を強化しており、従来より費用負担は2.5倍に手厚くしており、ホール経営の安定に寄与したいとした。「新しいルールの中で努力してそれに慣れ、将来に向けて歩み出さなければいけません」と新時代に順応していけるよう協力を呼びかけた。

大饗裕記理事長(回胴遊商)は、昨年の規則改正を前に前倒し認定という事態があり、パチスロの半数に該当した規模。そうした事から、パチスロの6号機への入替は(投資意欲)として進んでいかない状況。2021年1月末という期限の中で、「パチスロのクオリティが上がっていかなければいけない。何が何でもこの状況を打破していく」という回胴式遊技機(パチスロ)関連団体が一丸となり、対応する瀬戸際と喚起し、乾杯の音頭を取った。