(株)ダイナム(本社/東京都荒川区)は3月29日、遊技台の鉄道輸送試行を行った。これは、遊技台運送のコスト削減、二酸化炭素削減を目的とした取組み。四国の香川県坂出市にある香川物流センターから遊技機を出庫し、山形物流センターへ搬入するという、その距離約1200キロの試み。
同社では、全店舗で約18万台の遊技台を設置するとともに、全国16か所ある物流センターにおいては約4万台の遊技台を社内中古台や外部への販売台として保管している。物流センターは、新規出店の迅速化をはじめ、社内2次利用を積極的に活用した各店舗の遊技台の品揃えにおいて重要な役割を担っている。
起点となった香川物流センターは、四国地区にある25店舗をカバーしており、遊技機入替え機種の保管・管理・配送を一手に担当している。四国地区の場合、物流センター内は、約2000台規模の遊技台が管理されているという。今回、遊技台鉄道輸送トライアルを担当したのは、同社物流部改善担当の霍川浩志氏。「一言でいうと、コスト削減と地球環境に優しい取組みとして、初めて試みました。遊技台の場合は、トラック輸送が主流ですが、輸送機関でも人手不足が言われており、安全でコスト削減にもつながる鉄道貨物に今回トライしました」という。
鉄道による貨物輸送は、正確で安定した輸送を実現できると共に、CO2排出量も軽減されるため、環境に配慮した輸送方法(モーダルシフト)といわれている。初回となった搬出作業では、遊技台136台をJR貨物用のコンテナに入れ、トラックで最寄の高松貨物ターミナル駅に運んだ。そこでJR貨物に載せ、東北の貨物拠点・仙台貨物ターミナル駅へ送られる。そこから定期トラック便に積み替えられ山形物流センターに届くというスケジュールという。「遊技台の取扱いは大変にデリケートです。今回はコンテナの積み降ろしの際のリスクがないかどうか、ほとんど揺れはないでしょうが、コンテナで輸送中にもリスクがないかどうかを検証・確認しながらの作業になります。JR貨物の利用ですと、トラック輸送の半分以下の輸送費に抑える事が可能となっており、特に長距離になればなるほど、その効果は大きいです」との事だった。
今後は同社各物流拠点で、この鉄道輸送のノウハウを共有し、運用を軌道に乗せていきたい考えだ。なお、初回に手配した遊技台の入ったコンテナは、4月6日予定通りに到着した。
遊技台の保管・管理・配送を担当する香川物流センター
遊技台をコンテナに積み込む作業風景
遊技台コンテナはJR貨物ターミナル駅にトラックで移送された
遊技台コンテナが運び込まれた香川県高松市にある高松貨物ターミナル駅