大阪府遊技業協同組合(平川容志理事長)は6月25日、大阪市天王寺区のシェラトン都ホテル大阪において、令和5年度の総(代)会を開催。行政からは、依存のめり込み対策、適切な賞品提供についての2点について講話があった。
大阪府警察本部から小林洋一生活安全部長、平山信幸保安課長、林秀行課長補佐が来賓として出席。小林生活安全部長の行政講話は、業界へのお願いとして、2点挙げた。①継続的なぱちんこへののめり込み・依存防止対策の推進について/オンラインカジノが指摘されたり、大阪はIR推進という特殊な状況もあり、のめり込み・依存の問題については高い関心が及ぶと考えられる。ぱちんこは、ギャンブルとは一線を画していますが、第2期大阪府ギャンブル等依存症対策推進計画に参加し、積極な取組みをいただいている。自己申告・家族申告プログラムは、府下全店舗で導入が図られていると承知しているが、現場においての利用者の利便性の向上など進めて欲しい。また府下の健康福祉センター、医療機関と密接に連携し、業界誌、ウエブサイトを使って、利用者が適切な治療や支援につながる周知への環境整備が必要。現在の取組みを継続して、進化して行って欲しい。②ぱちんこ営業における適切な賞品提供について/風営法第19条等で、賞品の提供方法に関する規制が設けられている。業界では、平成18年12月に「ぱちんこ営業に係る賞品の取りそろえの充実に関する決議」を策定し、賞品の取りそろえの充実に取組んでいると承知している。このたび、より多様な賞品を提供することで、賞品の充実に資するようホール関係4団体は、警察庁の確認を受けた元で、パチンコ、パチスロ店営業における賞品の提供方法に関するガイドラインが設定された。これは、ぱちんこ遊技機、回胴式遊技機に係る遊技の結果において提供する共通賞品だけでなく、ぱちんこ遊技機、回胴式遊技機のそれぞれに係る遊技の結果に基いて専用賞品を導入することを賞品の多様化をはかることとされている。その策定趣旨は、賞品の多様化を図るもので留まらずぱちんこ賞品とパチスロ賞品の市場価格が同一にもかかわらず、遊技球と遊技メダルの数量に対応する金額の間に差異を設けて提供するなど、その提供方法いかんによっては、風営法19条等に定める規制に関するおそれがあるところから、同規制の遵守を明確にしたもの。貴組合においては、ガイドラインの趣旨、その内容を加盟ホールに周知徹底して、ガイドラインに基いた適切な賞品提供をおこなうことで、遊技客が楽しみながら、多様な賞品を選べる環境整備を進めていただきたい。
この講話を受けて平川理事長は、10月安心安全まちづくりキャンペーンの実施を府内5~10カ所で準備を行っている等、各種防犯活動に継続取組んで行くことを報告した。そして業界の取組みでは、広告宣伝、賞品提供にガイドラインについて制定され、新たな経営体制へと移行している。賞品の提供方法に関するガイドラインでは、今後、パチンコ専用賞品とパチスロ専用賞品の提供が可能となったが、賞品の提供方法に関してはガイドライン制定の趣旨を踏まえ、適正な運用に努めていく。依存・のめり込み問題の取組みでは、全店舗で自己申告・家族申告プログラムを導入し、パチンコ・パチスロアドバイザーを全店舗に配置。また、23年6月に都留文科大の早野慎吾教授を招いて依存対策に関する講演会を実施し、関係者のスキルアップを図った。また府下におけるサンプル調査を実施し、エビデンスの一助とした。広告宣伝ガイドラインについては、組合挙げて適正な対応につとめているとした。
総(代)会は、4議案が上程され、原案通り承認した。なお、令和6年3月末現在のホール数は391店舗(休業中3店舗含)、前年比37店舗減少。設置遊技機台数は前年比9926台減少し、19万1919台(パチンコ12万3857台・パチスロ6万8062台)だった。