兵庫県遊技業協同組合は7月10日、神戸市中央区のANAクラウンプラザホテル神戸において、第52回通常総会を開催した。
組合員191名中、118名の出席(内、委任状7名)で成立した本総会では、任期満了に伴う役員改選を含む全7議案の審議が行われた。兵庫県では4月7日に緊急事態宣言が発令され、その翌日には県内の組合員ホールの36.3%にあたる139店舗が自主的に休業。最終的には99.2%にあたる380店舗が宣言解除まで休業した。しかしながら、多くの店舗が休業する中、3店舗が営業を継続しており、兵庫県より休業要請よりも強い措置となる休業指示が全国初の事例として出され、報道でも大きく取り上げられた。
冒頭の挨拶において、コロナ禍における業界の対応や情勢について説明した岡本理事長は、休業要請に協力した店舗に改めて謝辞を述べ、ホールにおいて今後もクラスターを発生させないように、ガイドラインを遵守した営業を心がけ、信頼を回復してほしいと呼びかけた。
来賓には兵庫県警察本部生活安全部より小野義昭部長が列席。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は解除されたものの、当日時点においては東京を中心に感染者が拡大しており、予断を許さない状況にあると指摘。パチンコ店でのクラスター発生の事実は聞いていないものの、これからもガイドラインを遵守した営業を行ってほしいと要請した。「パチンコは多くの方が参加している大衆娯楽です。課題は山積していますが、組合を中心に各種取り組みを推進してほしい」と祝辞を述べた。
議長団に3名の理事を選出した後、全7議案の審議を開始した。第1号議案では前年度の事業報告が行われた。組合加盟店舗数は令和2年3月末時点において383店舗(11店舗減)で、遊技機設置台数はぱちんこが778台減少し、パチスロは892台増加。全体では114台増加となった。前年度は第14回社会貢献対象において、「警察をはじめとする行政機関及び企業と連携した安全・安心まちづくり推進」事業で、都府県方面部門「最終審査ノミネート賞」を受賞するなど社会貢献活動が大きく評価された。
先述のとおり、兵庫県知事による休業要請、組合による休業要請、及び兵庫県知事による休業指示にもかかわらず、3店舗(3社)が緊急事態宣言下で営業を継続していた。組合では、5月初旬の理事会において、組合定款で規定する除名事由「犯罪その他信用を失う行為」に該当すると判断し、3店舗に脱退を勧告。しかしながら、当該店舗は除名事由に該当しないなどとして、自ら組合を脱退することはしない旨を主張していた。第6号議案では、当該店舗の除名処分の是非について判断すべく臨時総会を開催することについての審議が行われた。総会では議案に対する質疑等は出なかったものの、採決は挙手ではなく、無記名投票方式を採用。結果、過半数以上の賛成とともに議案は可決した。
任期満了に伴う役員改選では、理事56名と監事2名を指名推薦にて選出し可決。総会終了後に開かれた理事会において、執行部人事が行われ、岡本理事長の退任と、新理事長に平山龍一氏の就任を決議した。「課題が山積する状況の中、大変なプレッシャーとともにやりがいも感じています。大きなマストで皆様の風を受け、前進していきたい」と平山新理事長。