全日本遊技業協同組合連合会(阿部恭久理事長)は6月23日、TKPガーデンシティ品川(シナガワグース)において通常総会を開催。総会は、午後3時から始まり午後4時20分に大西康弘副理事長の閉会宣言により円滑に終了した。
午後5時30分過ぎから始まった懇親祝賀会では、行政から小柳誠二保安課長、大門雅弘課長補佐を迎え、業界14団体の代表者が来賓参加した。その中、阿部理事長、小柳課長、庄司会長、金沢理事長が懸案となっている業界挙げた取組み姿勢を祝辞に込めた。
阿部理事長は「業界は今厳しい状況にあるとともに、かつてないほどの大変革期を迎えています。あらゆる産業が時代に即した変化を求められており、時代に合致した産業へと生まれ変わっている。私たちもその変化を前向きに捉え、新しい時代に求められる新しい産業に生まれ変わらなければなりません。そのためには全日遊連が団結することはもとより、団体間の垣根を排して、遊技産業が一丸となって業界の将来について考え、改善に向けた施策を講じていかなければならない。パチンコには長い歴史がある。先輩方が築かれてきた位置づけをさらに強固なものとし、パチンコ・パチスロが我が国における代表的な大衆娯楽の復権がなせるよう、理事長として全力を尽くして職責に応える所存です」と協力を呼びかけた。
小柳課長(警察庁保安課)は「日頃は警察行政の各般に渡りまして、深いご理解とご協力を賜り、この席をお借りして深く御礼を申し上げます。さて、ぱちんこ業界では遊技人口が減少傾向にある中、1円パチンコに代表される遊技料金の低価格化、遊技機の不正防止対策、射幸性を抑えた遊技機の開発など、幅広い年齢層の方に少ない料金で遊技その物の面白さを楽しんでもらうための努力を続けてこられました。しかしながら、依然としてのめり込みに起因すると思われる各種問題や遊技機不正改造事犯、賞品買取事犯、違法な広告宣伝や賞品提供が後を絶たない等、健全化を阻害する要因が残されていることも事実。こうした問題一つひとつに業界が責任を持って取組み、ぱちんこ業界から不正を徹底して排除し、ぱちんこ遊技が手軽に安く安心して遊べる真の大衆娯楽となるようご尽力いただきたい」(要旨)と述べて、全日遊連のこれまでの健全化への取組み一つひとつを評価した。
庄司会長(日遊協)からは、厳しい環境に置かれている業界情勢を再認識させた。その中でのめり込み(依存)問題への取組み、特に全日遊連の率先した対応を評価。「全日遊連が全国統一での標語挿入を早期に決断されたことは、大変重大な事で重要な事であったと感じている」とした。また、6月11日の日遊協総会で、日工組と日電協が団体加入した件について報告。「業界が置かれている厳しい状況に対して、ファンの裾野の拡大、社会的地位の向上を団体の枠にとらわれず、一緒に推進していくことが必要であるとの認識のもと団体加入が実現した。目標は参加人口を増やすこと。最初の取組みは日遊協内にPR委員会を立ち上げ、業界の情報発信力を強化していく。依存問題と業界のネガティブな情報への対策もしていかなければならない。昨今、業界の課題は山積している状態だが、小柳課長の講話(6月11日)の中、特にくぎ曲げと部品交換に対して厳しい指摘を受けている。早急に決断し、対応していかなければならない。同時に法令等の抜本的な改善要望も含めた協議を積極的に進める必要がある。遊技産業はかつて経験したことのない厳しい状況にある。かつて遊技業の先輩方が様々な問題に対して、所所で批判を受けようとも大英断され、業界を大きく発展させてきたように、要用の問題に対して、等閑視することなく勇気ある決断にこそ、遊技業の未来があると信じている」と述べ、業界連携した取組みを喚起した。
金沢理事長(日工組)からは「業界内で長い間にわたって常識だと思われてきたことが、今日では常識ではないということを気付きつつあります。今後は、健全化に向けて、全日遊連様と一緒に協議して参りたい」(要旨)と述べた。
最後に、佐野慎一理事長(日電協)の乾杯の音頭により、懇親を深めた。なお、全日遊連は、24日臨時全国理事会を開催して、協議を行っている。
小柳課長
阿部理事長