国際観光産業振興議員連盟(IR議連・細田博之会長)は10月12日、衆議院第2議員会館・多目的会議室において総会を開催。大阪を代表した松井一郎知事(日本維新の会代表)ら、自治体代表者がIR法案の成立に際し、万全準備を敷いている事を伝え、いち早い成立を要請した。
岩屋毅幹事長の司会のもと、「久々に、そして極めて重要な総会を開催することになりました。今国会でのIR法案の審議、そして成立に向けて心一つにする総会としたい」と述べ、細田会長のあいさつに移った。IR議連は、自民党(156)、民進党(35)、日本維新の会(26)、日本のこころを大切にする党(3)、公明党(9)、生活の党と山本太郎となかまたち(1)、無所属(8)と超党派合計238議員の規模になったと「IRなき観光振興は画竜点睛を欠く」と多くの賛同議員によるIR議連の活動意義を強調した。ただ、IR法案は、若干の障害要因がある事で、法案を提出し内閣委員会で審議がされたのは1回。その後、解散総選挙により廃案。平成27年4月28日に再提出したが、未だ継続審議扱いとなっている。「この度の臨時国会は、やや長めであるというところから、委員会審議するチャンスが大きい事、各党の調整も進む可能性もあるところから、一気にIR法案の成立に頑張ろうではないかという機運にある」とした。「多くの人たちが楽しめる、日本にとって大きな観光振興につながる、大きな雇用につながる、地域の発展にもつながる、このような構想は、我が日本経済にとって必要不可欠であります」と、今国会での審議の開始、法案成立に、「一丸となっていこう!」と呼びかけた。
その後、各党挨拶として、「やるぞやるぞといって十数年、今回は可能性も高い、足場を固めていきたい」(小沢鋭仁副会長・維新)、「法案について一致結束という状況にない。ただ先週より慎重論の党幹部は議員立法として提出されている以上、取り扱いについては内閣委員会の審議に一任という意向」(佐藤茂樹副会長・公明)、「昨日までに党として賛成の方向で確認したところ」(中山恭子副会長・日本のこころ)、「様々な意見が今もありますが、依存症対策等、懸念あるところを一つひとつ丁寧にみながら前に進みたい」(玉木雄一郎副会長・民進)。
人事案については、伊達忠一議員は参議院議長就任により副会長辞任。萩生田光一議員は内閣官房副長官を務めており、事務局長から副会長就任。事務局長には西村康稔議員。馬場伸幸議員は事務局次長から副会長。玉木雄一郎議員は事務局次長から副会長。松原仁議員は副会長。東徹議員、河野正美議員は事務局次長。以上を承認した。
国会審議について、岩屋幹事長が報告。現在、内閣委員会の審議すべき議案の数からいけば、IR法案の審議時間の確保は十分可能と判断している。その旨、自民党として関係各方面に優先審議をお願いしており、各党でも同様にお願いしているところ。与党間調整では、ハイレベルの調整が求められており、目下、細田会長が中心となっている。なお、法案提出者のうち、3名欠員、手続きを踏み補充選任の予定。「これ以上、先延ばしするような事だと、機運がしぼんでしまう事も懸念され、是非とも結論を導き出したい」と、IR推進法の成立、そして実施法への成立に全力を挙げたいと協力を呼びかけた。
その後、IR推進自治体からの意見表明として、松井一郎知事(大阪)、辻泰弘副知事(北海道)、里見晋副知事(長崎)、森田金清会長(全国IR誘致団体協議会)など、自治体代表者が誘致は準備万端と伝え、地域創生と地方によるインバウンドの可能性を訴え、IR法案の早急な成立を嘆願した。
最後に、細田会長は、「思いは一つ、そして雇用を生み出さなければならない、そして投資する対象を生み出さなければならない。IRへの関心、意欲はどんどん高まっている。まずはこの推進法を審議し成立させることが先決。今国会が時間があるといっても1月半ほど、なんとか成立に持っていきたい」と力強く、協力を呼びかけた。
その後の岩屋幹事長とのプレス向け囲み取材で、与党調整についての質問では、「ハイレベルな調整が必要となってはいるが、細田会長中心にご努力いただいている」と現在進行形であるとした。
開催前は定員100名を超える自治体関係者などが参加し、立ち見となった。ただ議員の出席は少なかった
IR議連総会は定刻に開会となった
細田会長(中央)と松井知事(左)
全国IR誘致団体協議会代表が細田会長に早期法案成立を要請