一般財団法人 保安通信協会(有馬康之理事長)は2月8日、第12回となる保安電子通信技術セミナー・展示会を発表。今回は、新しい生活様式に呼応すべくバーチャルによるセミナー展示会となった。開催期間は2月8日〜3月7日までの28日間(24時間アクセス可能)。参加対象は、警察、消防、海上保安等の各機関等。
有馬理事長が主催者挨拶。「新型コロナウイルス感染症の拡大の観点からバーチャル形式の開催とさせていただきました。従来のように実際の行政の方向性、技術動向について実際に見ていただく事はできません。一方で、展示会場まで直接来ていただくのが困難な方や、約1カ月の開催期間があり、何度でもご視聴いただける事ができます。こうした開催形式ではありますが、警察・消防・海上保安庁等の従来通りの後援をいただきました。展示会では、バーチャル形式に対応いただいた37社の出展をいただきました。関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。警察・消防・海上保安庁等の各機関が果たすべき役割はますます重要になってきています。産業界における電子情報通信技術の発展は目覚ましいものがあり、特に映像技術、ビッグデータ、AI、デジタル・フォレンジック等の各分野については、ますます進歩の度合いを早め高度化しています。さらに今般のコロナウイスル感染症の拡大を契機として、加速度的にテレワーク、テレビ会議が普及し、企業活動、ライフスタイルまでもが、大きく変わろうとしてきています。このような状況の中、本セミナー・展示会は、警察、消防、海上保安庁等の各機関の関係者を対象として、講演、機器展示等を行い、映像、デジタル・フォレンジック、テレワーク等でのセキュリティの認証等に必須の最新の動向などもご紹介するようしています。実社会のみならず、デジタル社会へも安心・安全をより確かなものとして維持していく上で、少しでも貢献できたらと切に願っています」と産・学・官関係者の協力に謝意を述べ、今後の業務に効果的に活かされるよう呼びかけた。
また、テーマである「事件、事故、災害時等における映像、ビッグデータ、ドローン等最新技術の活用」と「デジタル・フォレンジックにおける最新技術の活用」は、保通協内に調査研究部会を設置しており、産官学が連携した熱心な協議検討が続けられている事を報告。「バーチャル形式のため、何度でも、何度でもご視聴が可能となっており、皆様の理解を深める上で一助となれば幸いです」とした。
特別講演では、前田雅英教授(東京都立大学法科大学院兼任)、吉峯耕平氏(田辺総合法律事務所・第一東京弁護士会総合法律研究所IT法務部会部会長)、鈴木信二氏(日本UAS産業振興協議会理事長・東京大学特任教授、名誉教授)、大橋充直氏(デジタルフォレンジック研究会会員)、北條孝佳弁護士(西村あさひ法律事務所)、内山庄一郎氏(国立研究開発法人防災科学技術研究所マルチハザードリスク評価研究部門特別技術員)、酒井淳一郎氏(日本ドローン無線協会代表理事)の7題、基調講演7題、セミナー2題を収録した。
バーチャル展示会では、「AI・ビッグデータゾーン」(4社)、「デジタル・フォレンジックゾーン」(11社)、「地理・空間情報ゾーン」(4社)、「画像解析・顔認証ゾーン」(7社)、「映像・音声伝送ゾーン」(9社)、「その他ゾーン」(7社)という6ゾーン計37社が最新のシステム機器等を出展した。